フィッティング のあれやこれ ~クランク長の測定方法~

今日は門外不出のクランク長の続き。
あ、どもども! 野々山です。

前回、クランク長のお話をサラサラッとしました。
今日はその測定方法を伝授しましょう!


身長から用いる方法

計測方法には色々なやり方があるようです。

とても大まかなやり方として、身長の1/10のクランクを使用するという方法があります。

例)身長170cmの人 → 170mmクランク
身長160cmの人 → 160mmクランク

のような感じです。

と言ってもかなりアバウトなんで、今使っているクランク長が丁度良いかどうかの判断として下さい。

ちなみに、、、

身長163cmなど1/10にするとクランクがない人はどうしたら良いの!?
と聞こえてきそうなので言及しておきます。

この測定方法で行うなら、近似値を取るのが良いと思います。
この場合の近似値は162.5mmですかね。

実際はこれプラスもう一つの判断材料を用いると良いですよ~


ランニングの走り方から取る方法

ランニングの走り方に「ピッチ走法」「ストライド走法」があります。

この走り方とクランクの長さには関連部分があります。

主にピッチ走法は、歩幅が狭く足の回転数で走る走り方
ストライド走法は、歩幅を広く取り、スピードに乗りやすくする走法となります。

この走法からピッチ走法の方は短いクランクを。
ストライド走法の方は長めのクランクを使用すると良いと言われています。

実際、身長が163cmの僕はピッチ走法ですので、クランクも162.5mmと身長換算で行くと短めのクランクを使用しています。

最近はもう一つ短い160mmなんかを使用したいと思っているくらいです。

この走り方からとる場合、やはり大まかになりがちで、長いのが良いのか、短いのが良いのかという判断しか出来ません。

前述の身長から取る方法で、アバウトに出したクランク長の最終判断にこの考え方を加えれば、より良い長さが出せるという事です。


東日本橋で行っている方法

東日本橋店では問診として、ピッチ走法/ストライド走法を聞いています。
(この問診は分かる範囲で構いません。)

それ以外にも大まかな身長もお伺いさせて頂いています。
(これも分かる範囲で構いません。)

これは、判断材料が多いに越したことはないからです。

本当の計測はこの後に行います。

当店では、大腿長転子高から最適クランク長を割り出しています

大腿長とは、大転子という体のブレが出ない中心点から大腿骨の先端までの長さの事を言います。

大転子は、腰骨よりも下の出っ張った骨になるのですが、探すときは手の平でゴリゴリ触ると分かります。

大腿骨の先端部分は膝横の骨を左右から押さえて、ひざ下を前後にぶらぶら振っていると分かります。

逆に転子高というのは、大転子から地面までの高さの事を指します。

この大腿長と転子高をある表に照らし合わせると最適なクランク長が出ます。
ある表については企業秘密とさせて下さい。

このある表で分かるのは、オススメのクランク長が◯◯mm~◯◯mmである事。

というのです。

オススメの長さが複数存在しますので、先にお伺いした問診結果が生きてきます。

以上が、クランクの計測方法についてとなります。


ついでに言っておきます。

自転車に乗っている方のご相談の中で、様々な相談内容があります。
このクランクの話で未だに、様々な声が聞こていますので、この場でハッキリ言っておきます。

Q.クランク長が長い方が坂が楽になる!
A.そんなことはありません。

Q.クランクが長い方がパワーが出る!
A.そんなことはありません。

よく聞くワードが上記です。

クランクの長さがパワーに比例すると勘違いを起こしている方がいます。
それは間違った情報です。

僕も理数系の人間なので、力学的な話になれば数値の違いが出る事も分かります。
論文でも発表されていますが、確かに数値の違いはあります。
しかし、たかだか17cm弱での話。然したる大きな違いはありません。

2001年に実験・論文にて発表されているデータによると、短過ぎるクランクや長過ぎるクランクでもパワーの違いは2~5%くらいです。

2002年にはクランク長と代謝コストの関連について発表されています。
結果は、代謝コストは出力・ケイデンス・ペダル速度に大きく依存している事
145/170/195ミリのクランク長による代謝コストの差は殆どなかったとしています。

2017年にはより長いクランクが関節の屈曲を増加させ、より短いクランクを選択した方が怪我のリスクを減らすことが出来ると発表しています。

整理しましょう!

1. クランクの長短によって、パワーの違いはそこまで大きく出ない。
2. 「長いクランクの方がパワーが出る」「長いクランクの方が坂が速い」といった事はない。
(ただし、長いクランクの方が心臓に負担が掛かりにくいというデータはあります)
3. クランクの長短によって、代謝が大きく変わるといった事はない。
4. 長過ぎるクランクは股関節を大きく動かしてしまう為、股関節の炎症を引き起こす可能性がある。

という事です。

以上を踏まえると、適正よりも長いモノよりも短いモノの方が体の負担は少なくなりそうな感じがしますよね?

ただし、大事なのは適正を知る事!

適性を知る為にも、専門店で計測をする事を強くオススメします。

 

本日のブログ担当:野々山

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