こんにちは、川村です。
サイクルロードレース観戦の楽しみ方 Vol.1から間が空いていきなり番外編です。
(Vol.2の記事を書く前に気が付けばロードレースはオフシーズンに入りました。)
ロードレースがないこの季節、皆さんは如何お過ごしでしょうか??
移籍市場を見てワクワクしながら新シーズンの幕開けを待つのもいいですが、秋〜冬はレースファンには堪らないもう一つの楽しみ、シクロクロスシーズン真っ只中です!!
今回はシクロクロスとはなんだ??という方にも興味を持っていただけるように、この競技の魅力をお伝えします!!
シクロクロスとは?
シクロクロスとは、シクロ(=自転車)クロス(=クロスカントリー)の名の通り、オフロード(未舗装路)の周回コースを自転車で走り順位を競う競技です。1周2〜4km程の周回コースで決められた周回を一番先にゴールした選手が勝利となります。
元々はロードレース選手が冬季間のオフシーズントレーニングの一環として走っていたのが起源と言われていて、ロードレースとシクロクロスを兼任しているプロ選手も存在します。
春のクラシックレースを沸かせたマチュー・ファン・デル・プール(コレンドン・サーカス)や今年のツール・ド・フランスで大活躍を魅せたワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィズマ)もシクロクロスをメインに活動している事で有名ですね。
周回数は?自転車を担ぐ?シクロクロスの競技規則
シクロクロスはレースのスタート時点では周回数が決まっていません。始めに競技時間(30〜60分)が設定され、トップ選手の序盤のラップタイムを参考に競技時間に近くなる周回数をレース中に設定されます。ロードレースはチームスポーツですが、シクロクロスは個人競技なので単純明快分かりやすいですね。
コースは主に泥地でコース上には人口の障害物(柵、急坂、砂地、階段など)が組み込まれ、自転車から降りて自転車を担いで走らなればならない箇所が存在します。
選手の技術によっては自転車を担がなければいけないセクションをバニーホップで飛び越えると言ったテクニックが見れるのも見所の一つです。
シクロクロスバイクの特徴
TREKが誇るシクロクロスバイクは2種類
昨季の世界選手権3位のべルギー王者トーン・アールツ(テレネット・バロワーズ)も跨るレースバイク。カーボンフレームの『Boone 5 Disc』。
以前ブログでも紹介しました、おいしいところだらけのアルミフレームの『Crockett 5 Disc』。
ドロップハンドルが使われており、一見するとロードバイクに似ていますが果たしてどこが違うのでしょうか?
・太いタイヤが履けるクリアランス
泥の中を走る競技なので泥詰まりがしにくく、太いタイヤ(競技規則では33mmまで)が履けるタイヤクリアランスが設けられています。
・ブレーキの違い
リムブレーキやVブレーキでは競技中に泥詰まりをしてしまい、ブレーキングする事が出来ません。ですので、シクロクロスでは雨でも制動力の落ちないディスクブレーキや泥詰まりのしにくいカンチブレーキが多く使われています。
・担ぎやすいホリゾンタルフレーム
自転車を担いで走る競技の特性上、担ぎやすいようにトップチューブはホリゾンタル(地面と平行)形状、またはそれに近い形状の車体が多く見られます。
・グラベルロードとの違い
ここまでの特徴は今流行りのグラベルロードに似ていますね。大きな違いとしてはBBハイトです。安定感を求めて低めのBBハイトが設定されることの多いグラベルロードに比べて、シクロクロスバイクは高めのBBハイトです。安定感は失いますが、ペダルが地面から遠くなり、障害物を飛び越える際にフレームがぶつけにくくなるのがシクロクロスバイクの特徴です。
実際にレースを観てみよう!!
シクロクロスがどういう競技なのか、実際にレースを観てみるのが一番分かりやすいと思います。
大きなレースとしては、1年に一度アルカンシェルの行方を決めるUCI世界選手権の他、UCIシクロクロスワールドカップ、スーパープレスティージ、DVV・トロフェーの3つのシリーズ戦を中心にシーズンは進められていきます。
中でもUCI世界選手権とUCIシクロクロスワールドカップはYouTubeのUCIチャンネルやRed Bull TVで配信されています。気軽に競技を観ることが出来るのは嬉しいですね!
こちらの動画はアメリカ ウィスコンシン州ウォータールーで行われたUCIシクロクロスワールドカップ第2戦の模様です。TREK本社の裏庭にあるシクロクロスコースで開催されたこのレースですが、生憎の大雨により路面コンディションはご覧の通り。この様なレースでは1周ごとにピットでバイクを乗り換えるんですね〜。
今年、マチュー&ワウトがロードレース界に旋風を巻き起こし、注目されているシクロクロス。1時間という短い競技時間の中で高い出力を出し続け、未舗装路の中で走り続けるバイクコントロール技術はプロのロードレース選手からも注目されていてオフシーズントレーニングに組み込む選手もいるようです。
グラベルという新しいロードの楽しみ方の他にも、シクロクロスという競技、兼ねては冬が明けてからの本格的なシーズンのトレーニングにも、シクロクロスに注目してみてはいかがでしょうか〜??
本日のブログ担当:川村