TREKのDomane ALとEmonda ALRって何が違うの？

こんにちは、今野です。

カタログを見ていても、☝️この違いって なかなかわからないですよね？

スペックを見比べると「パーツとか色々違う」というのはわかりますが、

それが実際の走行にどう違いが出るのか？

今日はそんな事を書きたいと思います。

「初めてのロードバイクで、迷っています」と言うお客様に、

私は普段 下記のような事に気をつけています。

まずは、

「とにかくドロップハンドルの自転車に乗ってみたい」
「レースに出る気はあまりない」
「街中でカッコイイ自転車に乗りたい」

と言うお客様には、Domane ALシリーズをオススメしています。

一方、

「シリアスなレースにも 出れたらいつか出てみたい」
「峠を走りに行く頻度が多くなると思う」
「この1台で何でもやりたい。オールラウンドなバイクが欲しい」

と言うお客様には、Emonda ALRシリーズをオススメしています。

その理由はズバリ「ブレーキ、制動力」にあります。

ブレーキ構造の違いによる理由は後に書くとして、

「コーナー進入時など スピードコントロールを短時間で行いたい」ですとか、
「峠など 長い下り環境が非常に多い」と言うような いわゆる「街乗り」ではない、シリアスな使い方 以外は、Domane ALシリーズでも十分に楽しむことが出来ると思います。

一方、シリアスな使い方になればなるほどブレーキ制動力が肝になって来ます。

また、もし制動力を上げたいとなった場合、トラクションコントロール技術を向上させるというテクニカルな問題は置いて、他「より強い制動力を生むブレーキキャリパーに交換する」と言う事になります。

しかし、

Emonda ALRシリーズに使われている「ダイレクトマウントブレーキ」や「ディスクブレーキ」規格は、アップグレードパーツのラインナップが様々あるのに対して、

Domane ALシリーズに使われている「ロングアーチ」規格のラインナップは乏しく、また換装したとしてもシリアスレーサーの要望を満たすものと言えるかというと・・
といった感じです。（あくまで相対的に）

すっごく簡単に言ってしまうと、ガチでやりたいならEmonda ALRの方が後々困らなくて済みますし、街乗りレベルで良いならDomane ALでも十分、と言った感じです。

（あとは見た目がカッコイイと素直に思えるかどうか。ここも重要かと）

さて「ダイレクトマウントブレーキ」「ディスクブレーキ」「ロングアーチブレーキ」と色々と出て来てしまっているので、それぞれを説明したいと思います。

ブレーキ本体を取り付けている「支点」部分から、作用点までの距離が長いことから、「ロングアーチ」と呼ばれます。シマノ製パーツの105など代表的なブレーキキャリパーはロングアーチではありません。上写真の赤い線の部分が短いショートアーチになるため、Domane ALのフレームに105などのキャリパーは取り付けができません。（裏技としてはオフセットカートリッジなどを利用する方法もあるにはありますが、根本的な解決にはなっていないと思われます。）

一方、ダイレクトマウントブレーキは下写真のように、支点と作用点の間隔が狭く、ブレーキアームがたわんでしまうことが少なくなり、その分 強い力でホイールの回転を制動できます。

フレームへの取り付けがわかりづらいので、別アングルから

1番上の支点だけでフレームへ取り付けています。作用点までの距離は遠いです。

フレームへの支点が左右ダブルになります。作用点までの距離も短いので、アームのたわみも少なくなることがわかります。

それぞれのブレーキを取り付けるためにフレームには一つの穴か、もしくは二つのネジ穴を用意しなくてはならず、その両方を備えているフレームはTREKにはありません。なので後から変えることは不可能なのです。

もし仮に、予算やその他の関係からDomaneALを選ばれても、実はレースに出たくてという要望が隠れていた場合に、10万円ほどのDomane ALをご購入いただいてから、後になってレース用に20万円ほどのバイクを調達せざるを得なくなるのだとすれば、元も子もないことを言えば30万円のバイクを最初からゲットしておいてしまった方が良かった・・・そんな想いはして欲しくないです。

ですので、どこがどう違って何に影響してくるのかを正しく判断していただければと思います。

その他、いつでもご相談に乗らせていただきますので、お気軽にご相談いただければと思います。

次回は、

「ディスクブレーキにも触れたいと思います！」
「シングルピボットとダイレクト、ディスクで実際の制動距離を大実験！？」

の二本立てでお送りしたいと思いま〜す！

それではまた！

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