2019 Madone SLR Disc を大解剖!|ローロバイシクルズ駒沢公園店 TREK 東京

こんにちは、今野です。2018年7月7日の発表で世間を賑わせた「新型 Madone SLR」早速入荷しております。

新型が入荷したら? -それは解剖のお時間ですね-
(カーボンを切断して、超音波診断をして、ということは私にはできないのですが)

世界最速と証明された先代Madoneがフルモデルチェンジ。どうやってあの素晴らしいバイクを超えるのか?不可能ではないか?と思うと同時に期待をしてしまう。なぜならTREKは常に、私たちを驚かせ続けてくれるからです。

エアロレースバイクを作るには、多くの性能を細部までバランスよく実現させなければならない。そして、ある1つの性能を高めようとすると、他の性能は犠牲になりがちである。秀逸なエアロレースバイクを生み出すためには、「空力性能」と「重量」が重要である。ただし快適さ、フィット、ハンドリング性、フレーム剛性、外観、インテグレーションなども無視はできない。MadoneがMadoneらしくありながら、より究極に近いオールラウンドなレースバイクとなるよう、トレックは取り組んだ” ~ Madone SLR ホワイトペーパー 冒頭より抜粋 ~

事実「空力性能」と「重量」は先代Madoneのそれとほぼ同等に仕上がり(世界最速)、今回のフルモデルチェンジの特徴は、最大で17%の振動吸収性を向上したライドパフォーマンス(快適性)の大幅な向上にあると思います。またDisc一辺倒にならずにリムブレーキモデルも同じくラインナップされたことは、手持ちのホイールやコンポーネントを使い続けられるということなので、TREKはユーザーライクな選択肢を取っていると言えると思います。

では、今回の最大の特徴である快適性がいかに実現されたのか、解剖してみていきましょう!

90度に曲がった新型ISO speedを分かつフレーム部品
水平にはしっている部分に乗っているスライダーの位置を調整することで硬さ調整ができるようになっています。

こうして見るとプテラノドンの顔みたいですね。このパーツはとても重要。各フレームサイズで同じ大きさなので、どのフレームサイズでも同等の振動吸収を実現できているとのことです。

メインフレームのトップチューブの中にこのように入ります。

写真右側にあるパーツがダンパーです。これも重要。ISOspeedが振動吸収後に元の位置に戻るスピードの速さでサドルからお尻が投げ出されないよう、このパーツがリバウンドを緩やかに抑えます。丸い部分がエラストマーになっていて、プテラノドンの頭の部分にあたることでダンピングする構造になってますね。

写真のようなパーツ構成になっています。

メモリがふられていて、前方(写真だと左側)へスライドするとよりソフトに、後ろ(写真だと右側)へスライドするとよりしなりが固くなります。

ヘッドチューブも大幅に変わりましたね。ベクターウイングがなくなったのは当然なのですが、Lowerの後ろ側に「縁のようなもの」ができて有機的な印象。エアロダイナミクスのためでしょうね。

Upperベアリングの横にネジ止めされたパーツがあります。トップキャップ(写真で手に持っているパーツ)に溝が切られていて、ねじ止めされたパーツと干渉することで、ハンドルの可動域を制限する構造になってますね。これは上記でご紹介したヘッドチューブLowerにできた「縁のようなもの」に、フロントフォークがヒットしないようにするためですね。なので新型も90度まではハンドルを切れないです。

ブレーキオイルライン、シフターケーブル類はハンドルとステムそれぞれの内部を通ってインストールしていきます。先代よりもケーブルの通り穴が大きいのとステム・ハンドルが分割できるのでシフターの交換などは楽に行えるようになっています。ブレーキホースも交換するタイミングはフルオーバーホールの時だと思うので、特に問題ないですね。作業性はむしろ向上していると感じました。

コントロールセンターはややBBよりになりました。

ケーブルをとした後は、このプレートで蓋をします。Di2バッテリーはこの蓋の中にくくりつけられるようになっています。Di2の場合、充電用のジャンクションはバーエンド式が良いということですね。プレートに刻まれた「No.6」は、Madoneの第六世代を意味します。

シートポストに内蔵されたタイコを捩込むことでサドルハイトを固定します。先代はフレーム本体をピンチする構想になっていて、そのプレートにリアライトを取り付けられるようになっていましたが・・

・・ヤグラ付近に専用アダプター(付属品)をワンタッチで取り付け、そこにリアライトが取り付けられるようになりました。

フロントエンド 100×12mmスルーアクスル

リアエンド 142×12mmスルーアクスル

BB90 不朽の名作

組みあがりました。Madone SLR 6 Disc(完成車)
価格:630,000円(税抜)

よりシンプルなフォルムに、またそれぞれのチュービングがしっかりとした印象を持ちました。
カッコイイです。
走らせてみましたが、Madoneらしさがしっかりと息衝いています。世界最先端のロードバイクです。

最後にFAQを載せておきます。

–Madone SLR / Madone SLR Disc FAQ–

Madone SLRのラインアップは?
-Madone SLR 8、Madone SLR 6 Discです。
Madoneフレームのどこが新しい?
-減衰力を強めた、新たな調整式トップチューブIsoSpeed。
-ディスクブレーキが選択可能
-最高のH1.5ジオメトリー
-OCLV 700 Seriesカーボンフレーム
-新型2ピースMadoneバー/ステムコンボ
調整式トップチューブIsoSpeedはどんな仕組み?
-スライダーをフレーム前方に移動させると、振動吸収性が高まります。スライダーをIsoSpeed本体に向かってフレーム後方へ移動させると、振動吸収量が減り、かっちりとした走りになります。
-この新テクノロジーのさらなる利点は、トップチューブのシートマスト長が全フレームサイズ共通なので、どのサイズでも縦方向に全く同じ振動吸収量が得られること。つまり、どのサイズのバイクでも、IsoSpeedの振動吸収性をしっかりと体感できます。
調整式バーステムについてより詳しく?
-Madone SLRは、より多くのステムやバーサイズを選ぶことができ、バーを前後に5度傾けられま
す。フィットが新しくなったことで、男女とも、多様なレース向けのフィットを一体型エアロコクピットと共に得られるようになりました。
リムブレーキとディスクブレーキについても教えて?
-リムブレーキモデルは、より軽く、フレームと一体化されているため、風の影響を受けません。ディスクブレーキモデルは、空力性能を損なわずに高い制動力を得られるので、どんな路面でも速度をしっかりとコントロールできます。
-ディスクブレーキモデルは、フラットマウントのディスクブレーキと12mmスルーアクスルを採用、高いホイール剛性と優れた走りを実現します。また、タイヤクリアランスが広がるので、さまざまな路面も走れるようになります。
シートマストのどこが新しい?
-シートポストの改良点は、ウェッジを内蔵したデザイン。これがシートマスト裏側をすっきりさせます。ウェッジが外側にあるクランプは使われていません。
-また、シートポストヘッドの裏側にFlare Rライトをクリップで止められるマウントも備え、ライトをすっきりと一体化させます。
新しい各種フレームの重量(フレームのみ、ブレーキセットやシートマストキャップは除く)
-Madone SLRフレーム
–  1036g
-Madone SLR Discフレーム
–  1021g
-Madone SL フレーム
–  1,260g
各フォークの重量は?
-Madone SLR フォーク
–  378g
-Madone SLR Disc フォーク
–  421g
Madone SLRで標準装備のタイヤサイズ、および推奨最大タイヤサイズは?
-Madone SLR
–  標準で25c、最大でも25c
-Madone SLR Disc
–  標準で25c、最大で28c
Madone SLRは通常のハンドルバーは使えない?
-Madone SLR発売当初はご用意できていませんが、近い将来コンバーターを発売する予定があり
ます。
Madone SLRは専用のDHバーは出ないの?
-現時点では確定していません。
Project Oneでカスタムできるモデルは?
-Madone SLR 全モデルです。
Madone SL はカスタムできません。
Madoneの保証は?
-究極のレースバイク、Madoneには、サイクリング業界最高の生涯保証がついています。お客様は
Trek Careに守られ、安心してお乗りいただけます。
フレームの生産国は?
-すべて台湾で生産されている。

Madone SL FAQ

Madone SLは、高い空力性能、路面の振動を吸収するIsoSpeedテクノロジー、優れたハンドリング性、そして他にはない走りの質を備えたMadoneのミドルグレードモデル。
Madone SL のどこが新しい?
-Madone SLは500 Series OCLVカーボン製となりました。
-Madone 9.0から、Madoneの他のモデルに合わせて名前をMadone SLに変えました。
MadoneSLに搭載されているIsoSpeedは?
-Madone リア IsoSpeedテクノロジーが搭載されています。このIsoSpeedは、調整式ではありませ
ん。
Madone SLのジオメトリーやフィットは変わった?
-いいえ。
Madone SLのH2フィットは、トレックの男女プロチームアスリートたちを含むほとんどのライ
ダーが、パワーとパフォーマンスを引き出せるポジションで走れるようにします。
Madone SLで標準装備のタイヤサイズ、および推奨最大タイヤサイズは?
-Madone SL
–標準で25c、最大でも25cです
MadoneSLにディスクブレーキモデルは用意される?
いいえ、ディスクブレーキモデルは用意されません。Madone SLは、軽量なダイレクトマウントのリムブレーキを搭載します。
Madone SLのフレームとフォークの重量は?
-Madone SLフレーム
–  1260g
-Madone SLフォーク
–  375g
Madone  SLに標準装備されるハンドルバーは?
-Madone SLは、従来の形状のボントレガーElite Aero VR-CF 31.8mm
ハンドルバーとボントレガーProステムを採用します。
Madone SLにエアロバーエクステンションを取り付けられる?
-はい、取り付けられます。
Madone Non-Integrated Handlebar Headset Spacer Kit
を注文できる?
-はい。
Madone SLはProject Oneでカスタムできる?
-いいえ、ProjectOneでカスタムできるのはMadone SLRだけです。
Madoneの保証は?
-究極のレースバイク、Madoneには、サイクリング業界最高の生涯保証がついています。お客様は
Trek Careに守られ、安心してお乗りいただけます。

 

 

ぜひ店頭で実物をご覧ください。

よろしくお願いします!
今野

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