フィッティング のあれやこれ ~クランク長~

毎回フィッティングの話をしている野々山です。
そろそろ、フィッティングのネタが尽きてきたので、皆様からネタを募集しなくては!
となってきた今日この頃です。
何かネタがあれば店舗で僕に耳打ちして下さいな~(笑)

さて、本日のお話。
フィッティングではあまり触らないようにされている節があるクランク長についてです。


ひと昔前の話

僕がフィッティングのライセンスを取得したのが、2012年1月18日。

その当時、クランク長に関して理論(論文)はあったものの、フィッターに対しても「クランク長に関してはお客様の好みです」と答えて良いと言われていました。
(↑の様に言われていたモノの、当時から計測を行っていた店舗もありました)

あくまで、

Bikefitはお客様の現状をより良くする。という理念があるので、クランク交換の有無を勧めるモノではありません。

というよりも、Bikefitは膝の動きを単純化させる事(膝の軌道を捻じれなく、上下運動のみにする事)に特化させています。

これにより、全体的に見た脚(足底・膝周り・股関節)の痛みを軽減させられるからです。

 


現在

今では、クランク長が重要なのでは!?みたいな話がチラホラと聞こえてきています。

実際、チームスカイの選手はクランク長を非公表にしています。
この非公表というのが、短いクランクを使用しているのではないか?などの噂を呼んでいます。

実際、僕がBikefitの再受講を受けた際、講師の方がスカイの選手は短いクランクを使用している。と断言していました。

トレックの契約選手、山本幸平選手もMTBではショートクランクを使用した時の方が速い。などと言っていた話も聞いています。


何故短いクランクなのか?

では、何故ショートクランクなのか。

そもそもです。
ショートクランクというのが何mmから指すのか。というのは恐らくありません。
僕が見聞きしている限りは、「ショートクランク=完成車サイズよりも短い長さのもの」という意味に感じています。

僕の話を例にします。
フレームサイズ:50cmの自転車に乗っている僕は、完成車ですと170mmクランクが付いてきます。
実際、162.5mmのクランク長に変えていて、最近160mmでも良いのではないか?と思いだしている現在です。

差は7.5mmとそこまで大きな数字ではないです。
(フィッティングの数値としては、非常に大きな意味となる数値ではありますが・・・)

この数値は膝や大腿部の高さ(股関節の可動)に関係してきます。

これをとってもアナログな方法で計測してみました。


計測方法

まず、僕の愛車Emonda SLR君の数字をバ・バ・バッとメモメモします( ..)φメモメモ

まずはサドルの高さ。

よくBBセンターからのサドル高を言われますが、これは半分正解で半分間違え。
クランクの長さによって脚が下に引っ張られますので、合わせてクランク長も伝えるようにして下さい。

今回は、シートチューブ角の延長にクランクを持って来て、そのままサドルの天辺まで引いています。

サドル高は845mm。

続いて、サドルの前後位置。

こちらもサドルの先端部分からの数字を仰る方がいますが、半分正解で半分間違え。
以前のブログでサドルによっても、座る位置が違いますよ~って言いました。
ですので、僕は座る位置で測定します。
(ここの数値に関しては、自転車を持ち込んだ方が早いですので悪しからず。)

以前のブログ☞「フィッティング のあれやこれ ~サドル位置~」

見づらいので拡大!

写真の撮り方をミスりました。。。(苦笑)
メジャーに対して真っ直ぐ撮影すれば良かったですね。とりあえず630mmです。

そして測定に協力してくれる彼は、Emonda SL5君(50cm)です。

彼に僕が使用しているSpeedplay ZERO のペダルをサクサク取り付けて、、、
先程、メモメモした数値でセッティングして、
さぁ!いざ測定開始です!!!

ここで1つ測定が全て終了してから気付きましたが、、、
ハンドルの高さが同じではない事です。。。

すっかり忘れていました。
これが同じでないと、お腹と腿の距離がしっかりと測定できません。
ぐぬぬぬぬぬ~~ 申し訳ありませぬ。。。

代わりに方眼紙のように線を引いてみました。
そして、引いたついでに赤①黄②黄③を振っておきました。
カメラの位置は車体から2m30cm離して撮っています。

結果から申し上げますと、踝(くるぶし)の位置(赤①)の位置はクランクが短い方が低い位置にあります。

そして、ペダル位置(黄②)も同様に低い位置に。

黄③の腿(もも)から膝(ひざ)にかけての面積部分に振りましたが、水色の車体部分の「この部分」だけをカットして隣の写真に合わせると膝が飛び出ます

この事から、膝が前に出なくなっているという事がわかります。
ちょっと線を引くと、膝後ろの屈曲具合も違います
右の写真の方が屈曲が浅く左の方が屈曲が深いです

左の写真はそれだけ、膝が良く動いているという事になります。
この動きは以前のブログの膝の痛みに載せていますが、腸脛靭帯炎を引き起こしかねない事案です。

以前のブログ☞「フィッティング あれやこれ ~腸脛靭帯炎~」

誰もが同じだと思いますが、膝の上下運動(主に腿上げと言われる動作や屈伸運動など)は結構しんどいと思います。

自転車の膝の上下運動はたかが知れています。

しかし、冷静に考えて下さい。
その運動が一体、1分間に何回行われていますか?

1分間の回数が何時間続けて行われていますか?

流石に膝が壊れるという事です。

ですので、膝の上下運動を極力少なくしてあげる事が身体を楽にする1番なんです!

クランク長の相談はいつでも承っていますよ~
スタッフまでご相談下さい。

 

本日のブログ担当:野々山
nonoyama

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