皆さん、どもども。
いつものフィッティング話です。
最近、新規のお客様へヤマメ乗りなるフィッティングをご提案するケースが増えています。
そもそもヤマメ乗りって??という方も多くいらっしゃると思います。
そこで今日はスタッフへの教育も兼ねてこのお話をしたいと思います。
凄い長いブログなので、気合を入れて読んで下さいね(笑)
※僕なりにヤマメ乗りを解釈している過ぎませんので悪しからず。。。
ヤマメ乗り
このヤマメ乗りというのは、やまめ工房という店舗 兼 自転車の乗り方を教えている場所で行われている乗り方の事です。
解析を行うと実に理に適っていますので、店舗でも行うケースがあります。
どういった乗り方なのか。
次項でご説明したいと思います。
※本題は別ですので、内容はサラッと理解して下さい。
ヤマメ乗りとフィッティング
ヤマメ乗りのコンセプトは、僕なりに突き詰めて考えると体重を上手く使うという事です。
ブログなどを拝見させて頂くと、自転車のペダリングは歩く事や走る事となんら変わらないという事が綴られています。
フィッティングとしては以下のような感じになります。
〇クランクが下死点時が左の写真時。
〇ペダルが地面に対して平行の時が右の写真です。
お尻の位置とクランクの下死点が垂直にある事 = サドルの上で直立するイメージです。
このようなセッティングにする事で ペダリング = 歩く/走る 事となんら変わらなくなります。
※現実として、このようなサドル位置にする事はなかなか難しいのですが。。。
自転車のペダリングは、この理論でいくと、ウォーキングマシンの上で 歩く事/走る事と想像して下さい。
歩く/走る 際、左右の大転子(腰の位置)は変わりません。
前に進もうする関係で身体の重心が前に移動します。
こういう動きをする事で必然的につま先に荷重が掛かります。
走る際は、歩く時よりも更に前へ荷重が掛かります。
ここで。
身体の重心を前に出している足の方へ寄せていき大転子が母指球位置くらいまで出てきた時。
片手を写真のように遠くのモノを取るつもりで前へ出します。
この時の脇の角度と腰の角度を測ります。
腰(こし)の角度は54°、脇(わき)の角度は84°となっています。
この距離間でハンドルの高さと距離を合わせます。
これは歩行時の感じで合わせていますが、走り出す時はもっと身体が前に倒れると思います。
イメージは陸上の短距離走ですかね。
クラウチングスタートを思い浮かべると良いかもしれません。
クラウチングスタート時では、腰は更に前傾へ、低いモノを取る感じになりますよね?
こうして、ハンドルは低く、遠くになるという事です。
この乗り方ですと、腰の筋肉の伸展から発生した力が12時(上死点)~6時(下死点)までしっかりと伝える事が出来ます。
こうなると、この乗り方のミソになっているのが腰という事になります。
腰を伸びきらず、真っすぐにする事が大切になります。
この乗り方をにわかに(ヤマメの学校を受講せず見よう見マネ)採用している方で、腰が痛くなる方は腰が真っすぐになっていないからだと思われます。
ペダルを踏み込む時に腰がへっぴり腰になっていませんか???
それが原因です。
クランク長の考え方
このフィッティングでの考え方だと、クランク長は伸ばす方向になると思われます。
先程の歩幅を念のため、測ってみました。
420mmです。という事は÷2で210mmという結果になります。
自転車業界ではなかなか見かけない長さではあります。
現実的にこういう測り方はしていないと思いますが、歩行時と一緒。と考えるとこんな考え方になります。
LOROでのやり方
冒頭でも言いましたが、ここまでの内容をサラッと理解しておいて下さい。サラッとで良いですからね!
ここからはLOROというよりも僕が主に行っている方法になります。
〇自転車に乗った際、腰(こし)が真っすぐなのか、丸まっている(猫背な)のかどうか。
ここが実は大事です。
真っすぐの方は、ヤマメ乗りを採用した方が乗りやすいはずなんです。
一般的なフィッティングは、肩関節の可動域でモノを見ていますから、座骨角度(仙骨の角度)がどうなのか?は見ていません。
腰が真っすぐという事は、仙骨は寝ていますのでおのずとハンドルが近いという事になります。
ですので、それに伴ってハンドルを遠くしてあげる。
仙骨が寝るという状態は、引き足は非常に使いにくくなりますというか使えません。
結果として、踏み足に力が入れやすいセッティングにしてあげる方が良いです。
という事で、ヤマメ乗りの方法が採用されていきます。
サドルを前に出すので、サドルの高さも高く設定されます。
したがって、フレームサイズも身長の割に大きくなることが考えられます。
大きくなることによって、ハンドルの距離も遠く設定しやすくなりますよね?
ヤマメ乗りのセッティングで難しいのは、12時~6時までが体重のみで踏めるようにする事です。
何故なら、ことTREKですとシートポストのオフセットは規格が決まっている為です。
極限まで前に出したいけど出せない。ではどうするのか。
この部分の考え方は「12時~6時」と考えず、「6時間は体重のみで踏めるようにする」と考えると合点がいきます。
以前、クランク長の計測を大腿長と転子高で行っているとブログに載せました。
これは変わりません。
だって各部が長くなったり短くなったりはしませんから。
クランク長はあくまで各部の長さから測定します。
そして、サドルは可能な限り前へ出します。
コンタドールが良い参考ですね。
クランクの位置が地面と平行よりも少し上ではありますが、膝がかなり前に出ているのが分かると思います。
前に出す事で、力を入れていない状態で1時間程ズレた「1時~7時まで」が体重のみで踏めるようになります。
(意識次第では12時~6時にする事も可能です。)
クランクが適正な事もあって、上死点でクランクが止まってしまう事も防げます。
ハンドルの距離に関しては、フィッティングを受けている方がしたいようにしていますが、
変に脇の角度に囚われるのは止めています。
また、肘の曲がり角度もお客様がしたいようにしているのもあって、普通よりも遠いハンドル位置になっていますね。
大事なのは、ハンドルを引く力を使って腰の筋肉の伸展が出来るようにする事。
ニュアンス的に背筋を使う的な考え方です。
こうした事が出来るようにするハンドル距離が結構大事です。
最後に
フィッティングには様々な考え方があります。
どれも否定する必要はありませんが、納得のいく答えがそこにあるかがポイントですかね。
色んなフィッティングの考え方を知って理解していれば、様々な良いところが活かせますから。
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