こんにちは、スタッフ須賀です。
今回のホイールブログは「2:1組ホイール」について紹介いたします。
そもそも、2:1組ホイールとはどういうものか?
主にリアホイールに使われている組み方で、
ドライブ側のスポーク数:反ドライブ側のスポーク数
これが2:1の本数で組まれているホイールの事を指します。
この組み方を採用しているメーカーは
カンパニョーロ、フルクラムなどなど、他にも有名なメーカーがいくつか採用しています。
手組ホイールが好きな私ですが、今回の2:1組は主に完組ホイールでのお話になってきます。
ではなぜ、わざわざ左右非対称な組み方をしているのか!?
説明していきます!
ホイールを組み立てるときにホイールのセンターというものが大事になってきます。
左右のスポークテンションを調整し、図のようにハブの中心にリムが来るようにします。
この図はフロントホイールの図になります。
2枚目の図がリアホイールです。
リアホイールはフリーボディー分ハブのセンターがズレます。
この時、ドライブ側に頑張って寄せようとするとドライブ側のスポークテンションが反ドライブ側に比べて高くなってしまいます。
左右のスポークテンションの差があるとダンシング時やカーブ時に左右の剛性差によって、
「こっち側に倒す時は大丈夫だけど、逆側に倒す時はホイールがヨレてる気がする」なんて事が起こってきます。
※リムブレーキモデルのフロントホイールはハブが左右対称のでは2:1組をする必要はありません。
そこで2:1組ホイールの登場!
図で説明していきます。
綱引き形式で考えていくと分かりやすいかと思います。
リムを右側に寄せたいので反ドライブ側が1の力で引くのに対して、ドライブ側は2の力が必要だったとします。
1:1組のホイールだとドライブ側のスポークは1本に2の力が必要になります。
次にドライブ側のスポークを2本に増やします。
すると、ドライブ側1本あたりのスポークが引くために必要な力は単純に考えて半分の1の力で大丈夫なことになりますよね?(ベクトルガーとか、テイコウガーとかは置いておきます。)
2:1組にする事で左右の1本あたりにかかるスポークテンションは近い数値になり、左右の剛性差が少ないホイールが出来るという訳ですね!!
これが2:1組の秘密です!!
また、ディスクブレーキの車体ではハブにディスクローターの台座が付き、フリーボディー分まではいかないものの左右のバランスが取れているので、左右のスポークテンション問題は少し解消されています。
逆にフロントホイールは……!?
最初の方に今回は完組メインと書いていますが、手組でも2:1の本数で組めばいいんじゃない?
と疑問に思う方もいるかもしれません。
例えば24ホールでドライブ側16本スポーク、反ドライブ側8本スポークで組んだ時に反ドライブ側のスポークは基本ラジアル組で組まれることになります。
ストレートプル用のハブであればスポーク折れはないかもしれませんが、手組でよく使われる首折れスポークではスポークが折れる確率がかなり高くなってしまいます。
なので、この組み方は半分完組ホイール専用的な感じになります。
しかし、手組でも2:1にしなくても似たような事ができるので、それについてはまたそのうち……
本日のブログ担当:須賀