剛性としなりと素材の話 #1 ~クランク編 ~

こんにちは、スタッフ須賀です。
本日のブログは商品紹介やお得な情報ではなく、
久し振りに自転車の工業的な部分のお話をしたいと思います。
今回のブログは難しい内容になると思いますが気になる方はぜひ最後までお付き合い下さい!

さて、皆様は「剛性」という言葉をご存知でしょうか?
ロードバイクに乗っていると度々周りの人の会話で登場して来るのではないでしょうか?
今回はその「剛性」についてのお話です。


剛性とは?

物体の(体積が増減をしない)形の変化に対する弾性。
(弾性は元の形に戻る性質のことです。)
曲げや捻じれに対する歪まない性質のこと。

自転車に乗る方達にはよく「固い・柔らかい」などで表現されていますね。

分かり難いという方の為に身近なもので剛性を比較してみます。

プリン → 剛性が低い
コンクリート → 剛性が高い
極端な比較ですが同じ力でこれらに力を加えた時、コンクリートの方が変形する量は少ないですよね?
これが剛性の差です。

(プリンはこの後スタッフが美味しくいただきました。)


レースで勝った機材が最強?剛性は高ければ良い?

「プロの選手が使うパーツが絶対」「レースで勝った機材が最強」「剛性は高ければ良い!」そういう方が稀にいます。

本当にそうでしょうか?

先程のプリン、コンクリートの比較に戻ります。
プリンが壊れない程度の力で、それぞれに同じ力でパンチをしてみてください。
(あ、怪我するといけないので想像で)

プリンをパンチしても痛くないはずです。
(もしこの時点で痛いと言う方は骨が折れている可能性がありますので早急に病院で診てもらって下さい。)
逆にコンクリートの方は痛いはずです。
これを自転車のクランクで例えてみましょう!


1枚目のイラストは剛性が高いクランク、2枚目のイラストは極端に剛性の低いクランク
剛性が低いとクランクがしなって変形しますよね?

剛性の高いクランクの場合、一定の力で綺麗なペダリングが出来ていると力を効率よく伝えてくれます。
逆に初心者など、綺麗なペダリングが出来ないとコンクリートをパンチしている時と同じで瞬発的に無駄に加えた力がクランクの回転に反映されず、自分の足にその分の反発が来てダメージとなります。
もしクランクの剛性が低い場合、綺麗なペダリングができなくても大丈夫!
無駄に加わった力はクランクがしなる事で受け止めてくれます。

さて、ロングライドで考えてみましょう。
速く走れる可能性に掛けて、力が加わり過ぎる度に足にコンクリートパンチを食らう高剛性クランクを選ぶか、
力が加わり過ぎてもプリンの様に優しく受け止めてくれる低剛性クランクを選ぶか。
皆様ならどちらを選びますか?

もちろん世の中で売られているクランクにここまで極端な違いはありませんが、長距離乗った時に足にコンクリートパンチのダメージが残るのはかなりツライですね。
ロングライドとレースは別物です。

必ずしもプロの選手がレースで使う機材が絶対ではありませんのでご注意を!!


今回はクランクと剛性について触れてみました。
もちろんプロの選手が使っている機材が悪いという訳ではありません。
高級な機材などは幅広いユーザーが使いやすいように設計や材料を工夫して部分的に剛性をコントロールしていたりします。
但し、剛性は高ければ高い程いいという意見はどうでしょうかね??

また機会があればフレームなどについても#2以降書いて行こうかなぁと思います。

 

本日のブログ担当:須賀

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