今日は Disc の 音鳴り についてお話します。
Q. 納車時には鳴っていなかったのに、しばらく使っていたら Disc ブレーキ が ラッパ のような 音 を立てて鳴き出してきた。
と言った、相談が最近多くなって来ています。
こうした症状が出たときにチェック頂きたい事があります。
~ チェックして欲しいポイント ~
- ブレーキの制動力(制動距離)は大きく変化していませんか?
- 雨の日は走行していませんか?
まずは、この2点をチェックして下さい。
1. ブレーキ制動の変化について
音鳴り の代表として、オイル(または油)の付着があります。
オイルが付着すると音鳴りが出ます。
同時にブレーキが効かない(止まりにくい)という事も起きます。
こうなってしまうと、どうやっても直すことは出来ませんので、ローター(円盤)の洗浄 と Discパッド の交換が必要になります。
上記とは別の要因として、、、
先日の WAKO’S の洗浄講習会でも出ましたが、
自然と鳴ってきてしまうという事もあります。
原因は、 排気ガス や 汚れ(金属の削りカスやアスファルトの汚れなど)によるモノです。
このような症状はリムブレーキでも多々あります。
音鳴りのメカニズムを簡単に説明すると、、、
ブレーキが当たる部分(ローターやリム部分)の表面は少しザラ付き(凸凹とでも言いましょうか)があります。
また、 Discパッド や ブレーキシュー も同様です。
この表面のザラ付き部分に 排気ガスや金属の削れカスが入り込んでくると、ブレーキが鳴き出してしまうということです。
ですので音鳴りが出てしまうのは、仕方のない事ではあります。
これを止める術は結局のところ掃除(※)となる訳です。
※に関しては、最後に述べます。
2. 雨の日の走行に関して
Disc ブレーキ は制動力の高さ故に、「雨の日でもブレーキが効く」という言葉を販売員も使います。
これは事実なのですが、雨の日にガンガン乗って、何も異常は出ないですよ!って意味ではないです。
雨の日に乗ることで、ブレーキの音鳴りが出てしまう反面もあります。
1.の部分でも簡単に説明しましたが、 ローター や パッド の表面のザラ付きで鳴きにくくしてくれている訳ですが。
この部分に水分が付着すると、表面のザラ付き部分に水の被膜が張られます。
これにより、鳴きやすくなってしまうという状態になります。
ここで1本動画を紹介します。
この動画はスタッフ田子にお願いして、田子が所有している Domane SLR Disc に雨の時と同じ条件となるように、霧吹き(中身は水)で ローター と Discパッド に掛けて止まる際に音鳴りが出る状態を再現してもらいました。
単なる水であれば、ブレーキを掛けながらペダルを漕ぎ続ける事で鳴きを止める事も出来ますが、自然界ではそうはいきません。
雨水の中には様々な化学物質が含まれています。
ごく少量であれば、前述の方法で鳴き止ませる事も出来ますが、これが積み重なってくればそうもいきません。
1.でも紹介しましたが、 ローターの洗浄 と パッド の交換が必要となります。
ブレーキの制動に問題がないのであれば、そのままご使用頂く事検討頂く必要もあります。
チェック頂く内容に関しての説明は以上となります。
では、パッドが鳴き出した際の店舗としての対処方法ですが・・・。
※ここでは、お客様にやって頂く事はあえて述べません。
まず、Discのローターを外し、WAKO’Sのラストリムーバーで洗浄します。
※ラストリムーバーは鉄粉除去剤です。
これを使用することで、ローターに付着した鉄粉などを剥がしてくれる訳です。
以前ブログで紹介しているので、ご覧下さい。
これを行う事で、ほとんどの音鳴きは直せます。
これでもダメな時は、パッドの交換も行います。
ラストリムーバーによるローター洗浄: ¥2,400(税抜)
ブレーキの鳴きで困ったら、LOROに相談下さい。