最近、フィッティングの相談を良く受けるようになってきまして。
そんなお悩みの中に、 ジオメトリー に関係した話があるんですよね。
普通に考えて、初心者の方で ジオメトリー を熟知して自転車を購入するってないと思うんです。
店舗スタッフの方も、ジオメトリーについて細かく説明する事もないと思いますし、
ユーザーは知っておいて損はない話です。
理解して乗っているのと、知らないで乗るのとでは扱い方がかなり変わるので、
本日は、そんなお勉強話です。
自転車の挙動を決める数値ってご存知?
自転車の挙動を決めている数値を、皆さんはご存知でしょうか?
様々な部分が挙げられるはずですが、その中でも今回は各社から出ている
ジオメトリー表 の 「トレイル値」 にフォーカスしたいと思います。
この数値が、 自転車の基本挙動 を決めている数値です。
今回は、TREKのメーカーサイトより、 Domane AL Disc の数値を拝借してきました。
この トレイル値 から読み取れる内容として、
トレイル値 が長い(数字が大きい)場合、 直進安定性 に優れます。
トレイル値 が短い(数字が小さい)場合、 小回りが利きやすく なります。
トレイル値 と 自転車
トレックの数値を見ていると、トレイル値 の基準値となっている数値があるみたいです。
ロードバイクでは 5.7cm 、クロスバイクでは 7.0cm 、
MTBはモデルによりますが、 9.4cm ~ 12.0cm くらいと、長い数値となっています。
上の数字からも自転車によって、 トレイル値 に違いがある事が分かります。
初めての自転車で クロスバイク が良いと言われる所以は、この トレイル値 に関係があると言えます。
MTBは、 トレイル値 が非常に長く設定されています。
走る場所が オフロード なので、 直進安定性 が大事になるという事ですね!
ちなみに、ママチャリの トレイル値 は7.8cmくらいと言われています。
※メーカーやホイールの大きさなどによって違いはあります。
トレイル値 は タイヤ幅 などで変わる
トレイル値 はタイヤの幅でも変更されます。
僕が良く勉強で使うサイトに、 自転車探検 というサイトがあります。
ここで、 トレイル値 を調べる事が出来ます。
フレームサイズは52cmで計算してみます。 ※メーカー公表値とは違った数字になる事もあります。
タイヤ幅は純正が32c(32mm幅)なので、それで計算すると、 トレイル値は 6.0cm となります。
これを、25c(25mm幅)のタイヤで計算すると、 5.8cm となります。
タイヤを細くすると、 ハンドル操作がクイックな感じになるというのは、ここから来ているみたいです。
逆に太いタイヤ35c(35mm幅)で計算すると、6.1cm と少しだけ長くなりました。
トレイル値が 全てではない
この 0.1cm(1mm)が身体で分かるのか??
という事を聞かれそうですが、たぶん分かる人もいると思います。
エア圧やホイールベース、ハンドル距離も 操作性 や 直進安定性 に影響を与えます。
ですので一概に トレイル値 が全てという訳ではありません。
ただ、 トレイル値 を理解する事によって、自分の自転車の挙動を抑制したり、もっと変化させたりと、
カスタマイズやフィッティングにも活かせると思います。
次回のブログでトレイル値とフィッティングの関連の話を書きたいと思います。
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