前回の続きです。
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さて、 トレイル値 と フィッティング がどう影響するのかという事ですが、、、
実は以前、 Bikefit を行った際に トレイル値 が災いし、
操舵に影響を及ぼした事がありまして、この「話」の大切さに至った経緯があります。
トレイル値 の落とし穴
Bikefit を行った自転車の トレイル値 は、 7.2cm でした。
体の柔軟性などを計測した上で、100mmステムを120mmステムへ変更しました。
その結果、 直進安定性 が更に向上。
今までの力では、自転車が挙動してくれず、
それ以上の力で動かすと、一気に挙動し出す。
という事に・・・。
正直、ロードバイクの トレイル値 がメーカーによって大きく違うという事を僕も失念していて、
お客様にこのような結果になる事を事前にお伝え出来ていませんでした。
トレイル値 で決まってしまっている挙動を、フィッティングで変更する事はある程度、出来ると思います。
しかし、それが身体の柔軟性とイコールになるか? というと何とも言えません。
無理なセッティングで乗れば、身体への負担が大きくなり、怪我に至る事もあり得ます。
こうした結果から
まず、 トレイル値 が大きい自転車は往々にして、小さいフレームサイズのモデルになります。
前回の Domane AL の ジオメトリー表 で見ると、 44cm と 49cm が他のサイズよりも トレイル値 が長いモデルになります。
他メーカーですと例えば、 SPECIALIZED S-Works Tarmac SL7 は 44cm で 7.1cm 、 49cm で 6.3cm となっています。
逆に 61cm のサイズでは、 5.2cm と小さくなっています。
長くなりましたが、、、
トレイル値 が長い自転車、主に 7cm を超える自転車に、
100mm以上のステムを入れると、 直進安定性 が高くなる。
という事は、自転車の挙動がクイックと感じている方は、安定性が欲しい方はステム長を伸ばす。
逆に、クイックさが欲しい方がこうした対応をすると、思っていた結果にならない。
自転車のセッティングを合わせる事と、自分の感じている挙動を一致させる事はなかなか難しいですね。
一昔前に言われていた、「小さいフレームサイズを選び、ステムは伸ばす」といった
乗り方は、全ての方にオススメしにくいという事が分かりました。
個人差やハンドル幅やステム長、ホイールベースなど。
自転車の挙動は色々な部分で調整されています。
ですので、一概に トレイル値 で全てが決まる訳ではありません。
ちなみに、、、
TREKでステム長 100mm 以上を入れて、フィッティングを行った方もいらっしゃいますが、
乗りづらいという回答は今のところありません。
これは、バランスよく作られている結果だと個人的には考えています。
トレイル値が小さい自転車へ短いステムを入れた時の話は、検証が出来たらご報告したいと思います。