きっと疑問に思って、店員さんに尋ねた方もいると思うんですよね。
自分に合ったクランク長って???
答える店員さんは「好みです!」と即答すると思います。
現在、自転車屋さん歴10年になる僕も、入社2年目までは同じ事を言っていました。
そこからBIKEFITのライセンスを取得し、考えが変わりました。
自分で選択するクランク長の最終段階は「好み」ですが、
色々使った事が無い状態では、好みなんか出る訳がありません
この話は、ラーメンと似ていて、色々なラーメン店の味を知ることで、好みが出てきます。
色々な クランク長 を試すことによって、好みの長さが出てきます。
だとしたら、まずは基礎となるベースを作りましょう!って事でこのお話をしていきます。
まずはTREKの車体で説明をしたいと思います。
今回の使用するモデルは、Domane SL です。
このモデルのサイズチャートを見てみると、身長や股下によってフレームサイズが変わる事が分かります。
身長とフレームサイズ
続いて、もう1つのデータです。
フレームサイズとクランク長の関係
まず、現実を知っておきましょう!
日本人 の 平均股下比率 ってご存知ですか?
男性だと 約45% 、女性だと 約43~45% と言われています。
感の良い人は「疑問」に思ったと思います。
例えば、身長150cmの方で考えてみましょう!
メーカーの提示している股下は71.0cm~73.0cmです。
でも実際は・・・
男性だと、 67.5cm~68.9cm となります。
女性だと、 64.5cm~68.9cm となる訳です。
TREKはアメリカメーカーで大手ですから、世界中の平均を取る形で全てを算出しています。
ですので、ちゃんと日本人に合わせた状態で見てあげないと大きくズレが生じます。
ちなみに、この股下から算出できるこの方の 推定クランク長 は、 150mm~155mm となります。
44cmと47cmのフレームサイズに付いているクランク長は、 165mm となっていますので、
最小値の差でも 10mm 違います。 最大値の差だと 15mm 違います。
この最小値でサドル高に反映させると、 約 20mm サドルが高くなります。
最大値では 約 30mm サドルが高くなります。
この 20mm や 30mm サドルの高さが変わると・・・
フレームサイズとシートマストキャップ
同じく Domane SL で見れるフレームの寸法です。
この寸法の下の方に、最低サドル高 / 最高サドル高 という項目があります。
ショートマストというのは、初期に付いているシートポストの事です。
44cm時の 最低サドル高 / 最高サドル高 は 53.5cm と 59.5cm となります。
47cm時の 最低サドル高 / 最高サドル高 は 55.5cm と 61.5cm となります。
フレームサイズの選定は、このサドルの高さから決めたりもします。
例えば、サドル高が 57.5cm で 44cm に乗っている方がいたとします。
クランク長 を最適化した事によって、 サドル高が 20mm UPしたとします。
そうすると、 57.5cm → 59.5cm となります。
サドル高が 59.5cm 出るなら、47cm に乗った方が良いと思いませんか?
もちろん、ハンドルの距離などもっと細かく見ないといけない事はありますが、
小さいサイズに乗るよりも、大きいサイズの方がボトルが抜きやすくなったりと、利点があるからです。
もし、ビンディングペダルを使用していなくてこの数値だった場合、
ビンディングペダルを使用すると、更にサドル高は高くなります。
そうなると、フレームサイズの選定が間違えていたとなってしまう可能性もあります。
先々の事は誰にも分かりませんが、何が起きても対処できるようにしておきたいですよね!
当店では、お客様の希望に合わせて クランク長 も割り出しています。
自分に合った フレームサイズ と クランク長 で楽しいサイクルライフを送って下さい!
本日のブログ担当:野々山