【コラム】 チェーンテンション と 漕ぎの重さ

こんにちは。 野々山 です。

最近 シングルギア に変えたのは先日のブログで発表しました。
今日はこのシングルギアに繋がったお話で、 チェーンテンション と 漕ぎの重さ のお話です。

ちょっと難しい話なので、メカニック好きの方 や 色々考えるのが好きな方 向けのお話です。
苦手の方は、読むことをオススメしません。

目次
①ギア比を知ろう
②チェーンテンションを知ろう
③結論


ギア比のお話

自転車に乗ってくると、だんだんギア比なんてのを気にしだします。

ギア比と言うのは、クランクが1回転する間に、ホイール(リア)が何回転しているか
というのを表す公式となっています。

求め方は、

ギア比 = フロントギアの歯数 ÷ スプロケットの歯数

となります。

例)フロント50/34T スプロケットが11-28Tの11速 を使用している。
  この時のフロント50T、リア19Tの時のギア比は?

50T ÷ 19T = 2.63157… となります。
という事は、クランク1回転に対して、リアホイールは2.63回転するという事です。
ここから、ホイールのサイズや足の回転(ケイデンス)などを入力すると、時速が出てくるんですが、
ちょっと式がややこしいです。

例えば、タイヤサイズが700×25cを使用、1分間のケイデンスが90回転の時の時速は、

0.002105 km(タイヤ周長) × 90(1分間の回転数) × 60(分) × ギア比(50T/19T)  = 29.9132 km/h

となります。

こうした公式で時速やギアの重さを計測して、フロントの歯構成 や スプロケットの歯構成 を自分に合ったものにしていきます。


チェーンテンション

昔はそれほど気にしていませんでしたし、お客様にも同じていで話をしていましたが、今はこれ大事だよね?って事でチェーンテンションです。

「ギア比からクランクの漕ぎの重さが同じ」なんて事を聞く事がしばしばあります。

個人的には同じなんて事は絶対ありません!

ちょっと例えを用いてお話します。

例) 50T/25T と 34T/17T ギア比は「2」

↑の例は、現実にあり得る歯構成です。
50/34T のフロントギア構成に対して、リアは11-25Tを選択しています。
主に軽度の登りで使われるギア比だと思います。
それこそ、人によっては、3%~4%くらいの登りを上っている時でしょうか。

ギア比の数字は同じですが、ペダルを回す際の重さが同じか?
「いや。そうではない」という事です。

競輪などで用いられる シングルスピード を乗った事がある人は分かります。

チェーンをしっかりと張った時緩く張った時 漕ぎの重さの違い です。

自転車店に勤めて、ピストバイク などの シングルスピード のチェーン交換を教わった際に先輩から「張り過ぎない様にしなよ」と教わりました。

当時は理由をそこまで求めませんでしたが、ここには理由があるはずなんです。

今考えると、理由は 摩擦係数 なんだと思います。

チェーンを張っている時は、ギアにしっかりとチェーンが掛かっているので摩擦係数が大きい。
逆にチェーンを緩く張っている時は、摩擦係数が小さい。

摩擦係数は抵抗になると言えます。
簡単に話すとしたら、ブレーキを掛けながら走るという事でしょうか。

摩擦係数が大きければ大きいほど、ギア比を重くした時と似た、漕ぎだしの重さを体感できるはずです。


結論

多段ギアの自転車で、チェーンテンションを気軽に変える事は出来ません。

じゃあこの話は何故したのか?

◆フロントをシングルにする意味
◆フロントがダブルの時、同じギア比のインナーとアウターの違い

この2点を今よりも理解して、効率的に使用する事が出来るからです。

フロントをシングルにする意味は、チェーントラブルを減らす事でもありますが、チェーンの摩擦係数を極力減らし、今までと同じギア比だとしても軽い漕ぎ心地を得られる事

また、同じギア比のダブルを使用している時、アウターよりもインナーの方が軽い漕ぎ心地を得られます
ですので、登りで辛い時足or体が疲れている時に使用するには、インナーが持ってこい!という事です。

色々カスタマイズを行ってきて、自分なりの究極ってこれかな?というのが、

  1. ビッグプーリーを使ってチェーンフリクションを低下させる事

  2. フロントシングル化を行い、チェーンテンションを下げる事

  3. 上記に合わせて、ギア比を自分の使いやすいように調整する(現実的に無いギア構成になります)

こうした知識を知っておくことで、少しでも楽をしつつ、高い速度を維持するという事が出来る可能性があります。

色々考えて、走ればまた面白い景色が見えてきます。
もっと自転車を楽しんで下さいね~

 

本日のブログ担当:野々山

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