今日は、2017年頃に巷で行われていた ミッドフット クリート ポジションについて少しお話したいと思います。
先に断っておきます。
あくまで、こんな乗り方もあるよ~程度の紹介であって、これが良い・悪いを言うつもりはありません。
自転車のポジションや乗り方に不満が出た際の1つの提案になればと思います。
ミッドフットクリートポジション とは?
プロ選手の アダム・ハンセン の 独特なポジション の名称となっています。
このセッティングが独特と言われる理由は、シューズの裏に取り付けるクリートが「土踏まずの辺り」に付いているからです。
※GOOGLEなどで、「ミッドフットポジション」と記入すると画像が出てきます。
興味があったら、見て下さい。
どういう方にオススメなのか
まず、判断するに当たって、 スクワット が必須になります。
足を肩幅に開き、スクワットを行います。(中腰くらいまででOKです)
↑の状態と↓状態のどちらかになると思います。
違いは、「膝から曲げていく」のか、「お尻から下ろしていく」のかです。
中腰の状態で止めた際に、大腿四頭筋に力が入っている方は、通常通りのクリート位置でOKです。
※通常通りというのは、母指球と小指球の間にクリートを付ける一般的なやり方です。
逆に。
腰から下ろしてスクワット(デッドリフト)をする方は、お尻の筋肉(殿筋)や大腿二頭筋(ハムストリングス)に力が入っているのが分かると思います。
このような方は、 ミッドフット・ポジション が有効な方です。
ミッドフット クリート ポジション メリットとデメリット
ミッドポジションにはもちろん、メリットとデメリットがあります。
お得意様にも少し協力をして頂いて、短い時間ですがポジションの違いがペダリングにどのような影響を与えるかを調べてみました。
※M様、ご協力感謝します。
測定方法:
①フラットペダルかつスニーカーでペダリングを行う。
②ケイデンスは一定で、サドル高とサドル前後をそれぞれ、ある程度合わせる。
③全ての計測は1分間のみ(これが判断として正確な数字かと言われると微妙です)
※動画はあるのですが、個人情報もあるので今回は掲載しません。興味がある方は野々山まで直接ご相談下さい。
【フラットペダル・母指球でペダリング時】
平均ケイデンス:87rpm
平均パワー:144w
左右パワー:左 73w / 右 71w
【フラットペダル・ミッドフット時】
平均ケイデンス:87rpm
平均パワー:149w
左右パワー:左 74w / 右 75w
【ビンディング・通常クリート位置】
平均ケイデンス:87rpm
平均パワー:149w
左右パワー:左 75w / 右74w
それぞれ、簡単にデータを取りました。
数字からは、ミッドフットはビンディングの時とほぼ同じ数値が出ています。
もちろん短い時間のため、継続して長時間ペダリングを行った際はもっと違う結果になると思います。
ご協力を頂いたお客様からは「正直ペダリングしにくい」と言われました。
もう5年くらい通常セッティングでビンディングをご使用されている関係上、いきなりミッドフットを行って非常に良い!なんてお言葉を頂ける訳がないと思います。
このポジションを行うメリットですが、
①アンクリングが綺麗になる。(踝を中心に大体85°くらい)
②殿筋とハムストリングスを使ってペダリングが出来る
③前座りが出来る
主にこの3つが挙げられます。
①のアンクリングはペダルを踏み込む際に、つま先よりも踵が下がってしまう事を言います。
今回の計測では、大体85°~90°で常にペダリングが行う事が出来ていました。
②は非常に特徴的な部分だと思います。
自転車は大腿四頭筋を使ってペダリングを行うのが主ですが、遅筋と言われている筋肉を使ってペダリングが行えるのは、ロングライドを行う方や足が攣ってしまいやすい方にはオススメかもしれません。
③は、当店では当たり前になっているセッティングです。
アダム・ハンセンも前乗りが1番自分に合ったポジションと言っていました。
エアロ効果を高める事も出来るし、自転車の安定性を向上させる事も出来ます。
前乗りになるという事はサドルも自ずと、前乗りしても痛くなりにくいサドルへ変わっていくと思います。
メリットばかりではありません。
デメリットになる事
①瞬発的な走りがしにくい
②タイヤとシューズが当たる
上記2つが挙げられます。
このポジションの1番のデメリットと言えるのが①です。
遅筋を主に使用するセッティングのため、ダンシングがしにくくなります。
また、シッティング時でも急加速はしにくいです。
淡々と同じケイデンスで巡行をする方に向いていると言えます。
②は人によってです。
母指球がペダルの取付口にある状態で、ニュートラルポジション時に、ペダルと足が接触する事はありません。
しかしミッドフットの時はガッツリ足が接触します。
「人によって」と述べたのは、ニュートラルポジションでハンドル操舵をする方に関してです。
僕はニュートラルポジションでハンドル操舵をする事がないので、これが該当しません。
自転車のセッティングを変えるという事は、ポジションを大きく変更しなくてはなりません。
ミッドフットポジションを行う場合、ハンドル位置・サドル高・サドル前後全てを調整しなくてはなりません。
長々 書きましたが、自転車のセッティングは沢山あります。
それは、まさに十人十色です。
この乗り方でなくてはならない。
という事はありませんので、自分に合うセッティングやポジションを探して下さい。
本日のブログ担当:野々山