フィッティング のあれやこれ ~カーボンステム~

3連休最終日。 あいにくの雪で気温がググ~っと下がりましたね。

昨日は仕事終わりにスタッフ皆で、スーパー銭湯に行ってきました! 野々山です。

今回は、フィッティングとカーボンステムについてです。
ちょっと長いですので気合を入れて下さいね(笑)


ステムを変える意味って?

ステムを変更する意味として、フィッティング目線ではハンドル距離ハンドルの高低差を肩関節股関節の柔軟性に合わせて適正な長さ高さにするという意味があります。

フィッティングの目的は、効率性・快適性の向上となっています。
快適性という面で見た場合、カーボンステムをオススメするべきなんだと思いますが、実はオススメする機会は少ないです。

何故なら、変化を知ってもらう事が1番と考えるからです。

全てのフィッターが同じ!という訳ではありませんが、少なくても僕はそうです。
セッティングを大きく変更し変化が著しい時に、同時にカーボン製品へ変更した事によって、どちらの影響で良くなったのか分からないというのを防ぎたいからです。

効果を体験してもらって、これなら!となったら改めてカーボン製品へ移行すれば良いと思います。
まぁ、購入する機会が多くなってしまうのが玉に瑕ですが。。。


カーボン製品って何が良いの?

では、カーボン製品が良いって言われているのは何故?
という疑問が出ますよね。

当然だと思います。

カーボンの性質として、

  1. 劣化しにくい(メーカーによっては5年なんて言っていますがTREKには当てはまりません)
  2. カーボン繊維を積層して固めているので、材質として軽い
  3. 振動が伝道しにくいので乗り心地がいい(硬度の関係)
  4. 剛性・柔軟性のバランスを自由に出来る

上記4点がステムに対する話で出てくる部分だと思います。

2と3に関しては何となく分かると思います。
分かり難いのが、1と4かな?と思いますので説明します。

1.の劣化しにくいという話は、ネットなどで検索するとカーボンの寿命は5年とか出ていますが、この耐用年数はTREK・Bontragerには全く当てはまりません。

カーボン製品はカーボンファイバーを積層させて成型させます。
積層時にレジン(樹脂)を層毎に塗って熱を加え圧着させるのですが、この時に必ず空気の気泡が入ります。
空気の気泡が多く入れば、麩菓子のように外目は硬く出来ていても中はスッカスカという状態になります。
ですので、脆く割れやいモノとなります。
TREKはこの空気の気泡(空隙率)が1%未満で成型しています。
他メーカーで空隙率に触れている自転車メーカーは僕が知る限りゼロです。

4.の剛性・柔軟性のバランスを自由に出来るというのは、前述の積層で成型している事が関係しています。
カーボンには、各方向(縦・横・斜め・捻じれなど様々な方向)に対して、強いカーボンを積層させる事が出来ます。 もちろん、しなりを出したい場合も同様です。

この自由に成型できる事で、フレームやホイール、ハンドル・ステム等々。
様々な製品が生まれているのです。

さて、ここまでは前振りです。
本題はこれから。

これはBontragerから販売されている XXX Blendr Stem です。
ここに出すぐらいだからオススメなんですけど、、、

このステムが良く考えているんですよ。

Bontrager XXX Blendr Stem

まず真上からステムを見た状態で横幅をノギスで測ります。

Bontrager RXL Stem

Bontrager同士でステムの横幅を比べると、 XXX の方が幅が広いです。
この横幅は 捻じれに対しての剛性度 に影響があります。

立ち漕ぎ(ダンシング)した時にハンドルを左右に倒しながらペダルを踏み込むはずです。
右足を踏み込む時は、左にハンドルを倒す。
左足を踏み込む時は、右にハンドルを倒す。

このように、足の動きとは逆にハンドルを倒します。
この動きが自転車にとって、捻じれが発生する行為となります。

捻じれが強く発生する場所が、ステムだったりコラム部分なのですが、溶接で成形しているアルミステムはこの部分がカーボンに比べて弱くなってしまいます。

また、重量もアルミに比べて軽くなるので、ハンドル操作をした際のモッサリ感がなくなります。
※ハンドル周りを軽くし過ぎるとクイックになり過ぎて怖くなることもありますのでご注意を!

続いて、縦幅です。

XXX の方が RXL よりも低い数値となっています。

これは上下のしなりに影響を与えます。

段差などを超える際、衝撃が手を襲います。

肘などに力を入れず、衝撃をいなす必要があるのですが、連続する振動になるとそうもいきません。
そうなると、首・肩・二の腕・上腕・腕橈などがダメージを受けます。
簡単に言うと、痛くなったり、ブレーキを握るのがしんどくなったりですかね。

ハンドルが上下にしなる事で、この衝撃をだいぶ和らげてくれます。
アルミなどでこの部分を低い数値で製作する場合、少ない部材で形を作るために硬くなってしまうはずです。
しなり過ぎて折れてしまう事を防ぐためですね。
という事は自ずと硬く・重くなりますよね。

軽く、しなりを設けるというのは案外難しいと思います。
軽さはアルミでも作れますが、乗り心地はカーボン特有なのかもしれませんね。


長いブログになりましたが、本日はこんなとこで終わりです。

カーボンハンドルと違って、カーボンステムは横に出っ張るものではないので、傷や折れなどは考えにくい部分ではあります。

セッティングさえ出ていれば、カーボンステムを使用する事を僕はオススメします。

 

本日のブログ担当:野々山
nonoyama

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